一般社団法人 日本くん蒸気技術協会

蒸熱消毒研究会

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蒸熱処理とは熱帯果実に寄生するミバエ類を43℃から50℃前後の飽和水蒸気で殺虫する方法です。1924年に米国のフロリダでチチュウカイミバエが発見され、州外に出荷する果実について植物検疫の消毒として行われたのが最初で、日本の植物検疫の消毒基準に蒸熱処理が初めて取り入れられたのはハワイから輸入されるソロ種パパイヤでした。現在、蒸熱処理で10か国8品目、温湯浸漬処理で2か国1品目となっています。
 国内では南西諸島がミバエ類の発生地域(1993年根絶)であったことから、寄生農産物の他地域への移動が禁止されていましたが、農林水産省那覇植物防疫事務所により1982年に蒸熱処理によるピーマンの消毒技術が確立されました。その後本消毒技術は、1986年から(独)国際協力機構(JICA)の海外技術協力プロジェクトとして、フィリピン、タイ、台湾、中国、マレーシア、インドネシア、ベトナムなどで技術の付与が行われました。沖縄島南西諸島のサツマイモに寄生するアリモドキゾウムシ、イモゾウムシ等の殺虫に蒸熱処理が行われています。

蒸熱処理研究会の目的

蒸熱処理研究会は、1987年に蒸熱処理機メーカー及び熱帯果実輸入会社の賛同、協力により当会に設けられました。活動の内容は、海外への技術協力に対応するための試験専門家の養成、蒸熱処理技術の開発、物理的処理の情報収集及び提供等、植物検疫事業の円滑な運営に寄与することを目的としています。

主な研究及び事業

  • クリに寄生するクリシギゾウムシ及びクリミガの蒸熱処理試験
  • 漢方薬に寄生するタバコシバンムシの蒸熱処理試験
  • 蒸熱処理における技術者養成の講習会

蒸熱処理研究会メンバー