一般社団法人 日本くん蒸気技術協会

国際協力事業

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くん蒸技術等に関し、必要に応じ国際協力事業を実施しています。最近の主な活動を紹介します。

1. べトナムへの技術援助

べトナムのドラゴンフルーツは、ミカンコミバエ種群の寄主植物となっていることから、日本の植物防疫法により我が国に対する輸入は禁止されていますが、べトナムは、ミバエの殺虫処理技術を確立し、ドラゴンフルーツを日本に輸出する強い希望がありました。そのため国際協力機構(JICA)の要請により、日くん協は農林水産省とともに担当者を派遣し、同国における蒸熱処理による殺虫技術を確立しました。

2. オゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書締約国会合への参画

くん蒸剤として使用される臭化メチルは、1992年にモントリオール議定書締約国会合においてオゾン層を破壊する物質として指定され、検疫・出荷前処理ならびに不可欠用途処理以外にはその生産は2005年から全廃されました。同会合では、毎年7月には公開作業部会を、11月には締約国会合を開催しています。日くん協は同会合の臭化メチル技術選択肢委員会(MBTOC)の委員として臭化メチル関連事項の協議や取りまとめ等に協力しています。

3. (独)国際協力機構(JICA)研修受託機関としての技術協力プロジェクトの推進支援

  1. 我が国には、かつてミカンコミバエやウリミバエが発生し、農林水産省植物防疫(事務)所において開発された殺虫技術により、発生地から発生していない地域へ果物や果菜類を移動することが可能となっていました。とりわけ、蒸熱によるミバエ類の殺虫処理技術は、(独)国際協力機構(JICA)の開発途上国を対象とした技術協力プロジェクトを実施する中で殺虫処理技術のノウハウを集積しつつ世界をリードしてきました。この殺虫技術がミバエ類が発生する国々にも利用が可能となるように、JICA沖縄国際センターは海外からの技術者を対象として1988年にミバエ類殺虫技術研修コースを開設し、30年間にわたって研修員を受け入れてきました。
  2. 2017年、研修内容の見直しに伴い研修コースの名称が変更されたのを契機に、当会が防除技術の開発を通じて植物検疫機関との協力関係を有し、外国人に対する研修能力も備えているなど海外研修員を対象とした研修受託機関として適当であると判断されたことから、同機構と研修委託契約を締結しました。
  3. 毎年5~6名の研修員を受け入れ、那覇植物防疫事務所内の実験室において、約4ヶ月間にわたり、蒸熱処理や低温処理などの温度処理によるミバエ類の殺虫技術を習得するほか、ミバエ類の飼育法、防除法やデータの解析法についても学習することになっています。また、ミバエ類に関する沖縄県内の施設や大学などの見学や関東・関西地域の関係官庁、研究機関、関係業界などへの訪問も組み込まれており、当会横浜研究室では、くん蒸施設、くん蒸器材の説明、ガス濃度測定実習を行っています。さらに、適正な研修の運営を確保するため、インターネット回線を用いて、研修員の面談や実習状況の確認などを行うとともに、県外研修では研修員を引率し、各施設視察のサポートを行っています。

4. その他

農林水産省が開催する、検疫処理技術の国際標準化等に関する検討会に参加し、必要に応じ提言を行っています。